高度な設定

独AnyDesk Software GmbHは17日(現地時間)、リモートデスクトップ操作ソフト「AnyDesk」Windows版のv4.1.0を公開した。

本バージョンはセキュリティに関係するバージョンアップで、Windows 7のDLLプリロードの脆弱性に対する防護策が施されたほか、「OpenSSL」ライブラリが最新版に更新されており、できるかぎり早いアップデートが推奨されている。

また、モニターがスリープモードになっている場合の問題の修正や、自動アップデートが無効になっている際の手動アップデートのリンクの修正などが施された。そのほか、アドレス帳の更新のパフォーマンス向上といった変更もおこなわれている。

「AnyDesk」は、シンプルで高速なリモートデスクトップ操作ソフト。Windows XP以降に対応する個人利用のみのフリーソフトで、本ソフトの公式サイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。ビジネスユーザー向けには年間79米ドルの“Lite”や年間229米ドルの“Professional”といったライセンスが用意されている。

「世界で最もヤバい起業家」と呼ばれるピーター・ティール。決済サービス「ペイパル」創業者で、同社からはイーロン・マスク(スペースX)、リード・ホフマン(リンクトイン)など名だたる起業家が次々と世に出ました。近年はトランプ大統領の政策顧問に就任するなど、その行動はいつも予測不可能です。そんな彼が起業において最も重要なのは「友情」だといいます。どういうことなのでしょうか――。

※本稿は、トーマス・ラッポルト『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』(赤坂桃子訳、飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

■「ぶっ飛んだビジョン」こそが社員を結束させる

ティールは、企業ビジョンは社員のモチベーションを高める意味で重要だと考える。すぐれたビジョンの例として、彼はスペースXを引き合いに出してこう語る。

「スタートアップはカルトであるべきか?  まちがったことを狂信するのがカルトだとすれば、スタートアップはカルトであるべきではありません。でも大半の人が理解していない真実をメンバーだけが深く理解するというのは、とても大事です。たとえば友人のイーロン・マスクのスペースXは、『15年以内に人間を火星に移住させる』という、ぶっ飛んだビジョンに動機づけられています。ぶっ飛んだビジョンこそが、我々はその他大勢とはひと味ちがうぞという自覚をメンバーに与え、結束を高めるんです」

スタートアップを成功させることは、マッターホルン登攀と似ている。人は頂上に立つというビジョンを持っているが、下の渓谷にいる自分は小さな点にすぎない。頂上に立つまでには多くの予期せぬこと、危険、不自由がある。ティールはこの「マッターホルンのイメージ」を頭の中に持つべきだと考える。モチベーションを高める大きなビジョンがあったからこそ、未経験ではあるが優秀で熱心な「登攀者たち」を成功に導くことができたのだ。

ペイパルに関するティールのビジョンは壮大だった。あるときティールは社員にこう語っている。

「僕らは偉大なゴールをめざす道に立っている。ペイパルに対する需要はケタ外れだ。この世界のすべての人間が、支払い、取引し、生きるためにカネを必要としている。紙幣や硬貨は時代遅れであるだけじゃなく、不便な支払い方法だ。落とすことも、なくなることも、盗まれることもある。21世紀の人間には、どこにいても携帯端末やインターネットで手続きできる、快適で安全なカネが必要なんだ」

■国家権力から「マネー」を解放せよ

数世紀前から、貨幣は成長のための潤滑剤であり、権力者がほしいままに利用していた。90年代半ばの経済政策と通貨政策は、ティールにとって格好の追い風となった。1997年にアジア通貨危機が起き、その翌年にロシアが経済危機におちいったのち、大手ヘッジファンドのロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)が破綻。ロシアは低い石油価格のために支払い能力に問題が生じ、国際的な信用を失った。その結果が高いインフレ率と通貨切り下げだ。勝者はオリガルヒ(新興財閥)だった。彼らはエネルギー企業・原料企業の経営で莫大な資産を築き、それを国外に送金して安全な通貨に換えることができたからだ。

こうした国々の庶民は、ティールに言わせれば「八方ふさがり」で、必死で倹約したカネを腐敗政権から守ることができない。だが、ペイパルならこの状況を変えられる。

「将来、僕らがアメリカ国外でサービスを提供し、インターネットが人口のすべての階層に普及するようになったら、ペイパルによって世界中の人々がかつてなかったほど直接的に通貨をコントロールできるようになる。腐敗した政府が国民の財産を盗んだりすることは、まず無理だ」

ビジネスではITを活用しないと生き残れません。とはいえ、世の中にはデジタル製品もITサービスも溢れかえり、百花繚乱です。コストだけを見ると銭失いになりかねませんし、何も考えずに選ぶと予算オーバーになることも。そこで、本連載は、副業で個人事業主となろうかと考えている人から、10人くらいまでの小規模企業を経営している人向けに、ビジネスのためのITという切り口で製品やサービスを取り上げようと思います。

筆者も、国内外に展開する飲食企業を含め複数の会社を経営しているので、デジタルリテラシーの低い社員や予算がないといったよくある悩みを抱えています。そんな現場のリアルから、業務効率改善や働き方改革に効く情報を紹介します。

ビジネスの現場では、社内でも膨大な情報がやりとりされている。それをアナログで管理するのはもはや不可能。電子メールで何とかなるのも、数人まで。そこで、利用されているのがグループウェアだ。チームで運用することを前提とした情報共有ツールで、現在ではさまざまなサービスが提供されている。今回は、ビジネススタイルに合わせたグループウェアの選び方を紹介しよう。

■ビジネスで使う多数の機能をまとめた生産性向上ツール

グループウェアでは、会社で利用するさまざまな情報をできる限り一元管理したいところ。ほぼ必須なのが、予定を管理するスケジュールと情報共有のための掲示板、ファイルを共有するためのストレージ、会議室など共用設備の予約管理、メール機能、アドレス帳といった機能だ。

その他、海外のサービスだとウェブ会議機能やドキュメントの作成・編集機能などを備え、外国語にも対応するのでグローバルに展開している企業で導入しやすい。国産のサービスだと、海外サービスが苦手な社内回覧や承認といったワークフロー機能などを備えていることが多い。もちろん、どちらもスマートフォン対応はキホンだ。

以前は、社内にサーバーを置くオンプレミス型の製品が多かったのだが、現在はクラウド型の製品が主流となっている。導入コストも格段に安くなり、中小企業にも広く普及した。

世の中には多数のグループウェアがあるうえ、価格帯もバラバラ。無料の製品まで存在する。できることはある程度似ているのだが、どの製品も独自のコンセプトを持っており、使い勝手が全く異なる。グループウェアは社内で活用してもらえなければいけないので、導入時には機能はもちろん使い勝手までチェックしたい。その際、経営陣やIT部署だけで検討するのではなく、現場のスタッフの意見も聞くことが重要。グループウェアを活用すれば働き方改革を推進できるし、その活用度は企業の業績を確実に左右するためだ。

今回は、Microsoft、Google、Facebook、サイボウズ、ネオジャパンの5製品を紹介する。すべて、中小企業から1万人以上の大企業までの導入実績が多数ある超定番グループウェアを手がけている。

■WordやExcelも使えてコスパも高い「Microsoft Office 365」

Microsoftがグループウェアとして打ち出しているのが「Microsoft Office 365」。Windowsユーザーにはなじみのある製品群で構築されており、幅広い業務に対応できる。例えば、メールやスケジュール管理は「Exchange Online」と「Outlook」、オンラインストレージは「OneDrive for Business」、ビデオ会議やチャットは「Skype for Business」、社内コラボには「Yammer/SharePoint Online」が用意されている。当然、ドキュメント編集にはど定番の「Office」シリーズを利用できる。

一般法人向けとしては、2プランが用意されている。月額540円/ユーザーの「Office 365 Business Essentials」は、メール、Skype for Business、SharePoint Onlineが含まれ、Officeアプリは含まれない。Officeアプリも含んだ月額1360円/ユーザーとお手頃な「Office 365 Business Premium」のコストパフォーマンスが高い。この上に、大企業向けとして、コンプライアンスツールなどを含む「Office 365 Enterprise E3」(月額2180円/ユーザー)や、BIツールを含む「Office 365 Enterprise E5」(月額3810円/ユーザー)なども用意されている(価格はいずれも、年間契約における1カ月あたりの税別価格)。

Office 365 Business Premiumだと、1ライセンスで1人あたり5台のスマホ、PC、タブレットにインストールでき、ストレージは1人あたり1TBと大きい。Outlookはオフラインでも利用可能。普通にOfficeアプリを利用すると考えただけでもペイしてしまいそうだ。最大250人まで参加できるビデオ会議機能やグループチャットができる「Microsoft Teams」、コミュニケーションを活性化する社内SNSには「Yammer」、タスク管理には「Microsoft Planner」など、一通りの機能を備えている。もちろん、スマホからも利用できる。

出退勤管理やワークフロー、プロジェクト管理といった日本でよく使われる機能がなかったりオプションになったりしているが、Microsoft製品なのでグローバル展開する企業でもスムーズに導入できるというメリットもある。

■Googleのウェブ特化グループウェア「G Suite」

Googleが完全にクラウドサービスとして開発したのが、「G Suite」(旧:Google Apps for Work)だ。メールはもちろん最強のウェブメーラーである「Gmail」。当然「@gmail.com」ではなく、独自ドメインでの運用が可能だ。スケジュールは「Google カレンダー」、オンラインストレージは「Google ドライブ」、チャットやビデオ通話には「Google ハングアウト」などを利用する。

ドキュメント作成と編集には、「ドキュメント」「スプレッドシート」「プレゼンテーション」を利用。オンラインでの共同編集が得意な、Microsoft Officeと双璧をなすサービスだ。もちろん、完全にスマホでの閲覧・編集に対応している。ただし、共有施設の管理はGoogle カレンダーを使う必要があったり、使いやすい掲示板機能がないというネックもある。これらが必要なら、サードパーティー製品と連携させることになるだろう。

料金プランは3種類。月額600円/ユーザーの「Basic」はメール、コミュニケーション、スケジュール、ドキュメント作成が可能。ストレージは30GBとなる。「Business」プランは月額1200円/ユーザーで、「Cloud Search」による検索機能や訴訟に備えてメールやチャットをアーカイブしておく機能などを搭載している。さらに、ストレージ容量は5ユーザー未満の場合は1人あたり1TB、5ユーザー以上ならなんと無制限となる。「Enterprise」プランは月額3000円/ユーザーで、Businessプランの内容に加えて、データの損失防止やGmailの管理・分析機能が追加されている(価格はいずれも税別)。

Office 365と同様、出退勤管理やワークフロー、プロジェクト管理機能などがない。とはいえ、もちろん知名度はダントツで、グローバル企業で導入しやすいグループウェアとなっている。

■国内グループウェアのシェアNo.1サービス「サイボウズ Office 10」

国内のグループウェア導入社数でトップとなるのが、サイボウズ株式会社の「サイボウズ Office」。2位は「Microsoft Office 365」となるが、なんと3位にも「サイボウズ Garoon(ガルーン)」が入っている。

サイボウズは1997年に設立し、同年に「サイボウズ Office」のバージョンが発売された。昨年、20周年を迎え、「サイボウズ Office」のバージョンは「10」になっている。こちらは中小企業向けのグループウェアで、クラウド版の価格は月額500円/ユーザーの「スタンダードコース」と、月額800円/ユーザーの「プレミアムコース」の2プラン。このほか、オンプレミス版も用意されており、10ユーザー版で6万3800円からと導入しやすい価格になっている(価格はいずれも税別)。

スケジュールや共用施設の予約、メッセージ、掲示板、オンラインストレージ、メールなどに加え、経費や稟議書の申請をペーパーレスで進められる「ワークフロー」をはじめ、報告書やプロジェクト管理、タイムカードといった日本企業に求められる機能を網羅しているのがウリ。

プレミアムコースでは、業務に合わせたアプリを自分たちで作成できる「カスタムアプリ」を利用できる。現在Excelで運用している管理データをクラウド上に移せるのだ。契約書やレンタル機器、トラブルシューティングなどの管理もグループウェア内でできるようになる。

サイボウズ Office 10は数人から300人程度の組織向けで、300人以上から数万人規模の大企業向けにはサイボウズ Garoonが用意されている。こちらも、4600社に導入されており、価格は月額800円/ユーザー(301~1000ユーザーの場合)となっている。

■日本のビジネスにマッチした国産グループウェア「desknet's NEO」

株式会社ネオジャパンの「desknet's NEO」も人気の国産グループウェアだ。スケジュールやメール、設備予約、文書管理から、プロジェクト管理、ワークフロー、回覧、タイムカードなど、25個のアプリを搭載。購買予約や仮払精算ができるアプリまで用意されている。さらに、業務アプリを作成できる「AppSuite」も用意。Excelで運用しているデータを手軽にウェブアプリとして追加できるのが特徴だ。

価格は、desknet's NEOが月額400円/ユーザー、AppSuiteが月額320円/ユーザーとなる。契約しているdesknet's NEOユーザーのうち、AppSuiteを契約するユーザー数を自分で決められるのはありがたいところ。AppSuiteを利用する際、強制的に全員分がプラスされずに済む。オンプレミス版も用意されており、初年度ライセンスは5ユーザーで3万9800円/台から(価格はいずれも税別)。

日本企業で求められる機能を豊富に用意したうえ、AppSuiteを契約すればオリジナルアプリも作成できる。使いやすいシンプルなUIになっており、ITリテラシーの低い人でも使えるので、教育コストを低く抑えられる。

■Facebookが提供するビジネス用の社内SNS「Workplace by Facebook」

社内SNSは、FacebookやTwitter、LINEといったサービスのビジネス版。広義としては、前回紹介した「Slack」や「チャットワーク」などもこれに含まれることもある。今回は、がっつりとFacebookのフル機能を社内で利用できる「Workplace」を紹介する。

Facebookがビジネス向けに提供しているのが「Workplace by Facebook」。2016年にスタートした後発のサービスとなる。見た目はほとんどFacebookと同じで、そのままビジネス向けに展開したイメージだ。とはいえ、あくまで社内用なので、友達としてつながるのではなく、同僚とはつながり済み。友達申請のような手間はなく、すぐに使い始められる。

Facebookと同様、タイムラインに投稿できる。画像や動画を入れたり、マークダウンでの入力も可能。参加ユーザーを制限したディスカッションを行うなら、グループを作成すればいい。投稿には、「いいね!」を付けたり、コメントできるのも同じだ。メッセンジャーのような「Work Chat」が用意されており、チャットやビデオ通話が可能。ただし、密度の高いコミュニケーションが行える反面、グループウェアとしての機能は少なめで、カスタマイズ性も低い。

価格は、スタンダードプランが無料で、プレミアムプランが月額3ドル/ユーザー。スタンダードでも写真や動画を無制限に保存できるのがありがたい。プレミアムでは、ファイルストレージプロバイダーと統合したり、さまざまな管理ツールが利用できるようになる。それでも月3ドルは格安なので、割り切った使い方ができるなら有力な選択肢になるだろう。ベースがFacebookなので、利用のための教育コストが不要なのもうれしいところだ。

以上が、有名グループウェア・社内SNSの紹介となる。もちろん、このほかにも数え切れないくらいのソリューションがある。グループウェア選びは、機能が多ければいいというものでもない。きちんと活用して、働き方改革を実現しなければならない。どのサービスも無料試用プランが用意されているので、まずは社内で使ってみて、ディスカッションすることをお勧めする。

2018年5月16日、シックス・アパートはCMSプラットフォームの最新版「Movable Type 7」の提供を開始した。Webサイトの管理ツールという枠を超え、さまざまな形態で受け手にコンテンツを届けるハブとなる、「Content Hub Platform」に進化するという。
コンテンツの使い回しを圧倒的に効率化できる「コンテンツタイプ」を新機能として掲げたCMSプラットフォームの最新版「Movable Type 7(以下、MT7)」がいよいよ正式にリリースされた。これまでの進化や新機能の概要についてシックス・アパートCTOの平田大裕氏に聞いた。

企業サイトのニーズを汲んできたMovable Type
ブログサイトを効率的に運営できるCMSは、この10年で一気に企業に浸透した。現時点でもWordPressのシェアは高いが、セキュリティや運用の課題で異なる選択肢を求めるユーザーも多い。そんな企業向けCMSの有力な選択肢の1つとして挙げられるのが、日本国内でもシックス・アパートの「Movable Type」になる。

ブログツールとして登場したMovable Typeだが、カスタムフィールドの追加機能、複数ユーザーでの管理、データ取得APIの整備など企業サイトのニーズにあわせ機能を強化してきた。この結果、現在も商用パッケージ型CMSとしては高いシェアを誇っており、国内でも5万以上のサイトで利用されている。「初期バージョンからセキュリティ面がたたき上げられており、現場メンバーで運用しても情シスに迷惑をかけないCMS」と平田氏はアピールする。

人工知能(AI、Artificial Intelligence)は今、空前のブームだ。さまざまな機器やサービスが「AI技術を採用」とうたっている。ところが「AIって何?」と聞かれたときに、スラスラと説明できる人は、必ずしも多くはないのではないだろうか。

そこで本連載では、「AIとは何か?」を体系的にかつ簡単な言葉で解きほぐす。昨今のAIブームを引き起こすきっかけとなった「ニューラルネットワーク」など、AIが脚光を浴びるようになった背景や最新動向、将来の可能性などを含めて解説していく。「ある程度わかっているよ」という人も、知っていることと知らないことの整理に役立ててほしい。

■ 画像認識でコンピュータが人間を超えた日

2015年のこと、コンピュータシステムが画像を見分ける能力を競う世界的なコンテスト「ILSVRC」でMicrosoftの「ResNet」というシステムが優勝した。このコンテストは、与えられた写真をコンピュータシステムが解析して、何が写っているのかを当てるもの。写っているものの名前を答えたり、オートバイに人が乗っている写真に対して、ライダーとオートバイの境界を見分けたりする(図1)。

優勝したResNetが、画像に写っているものを正しく判定できなかった割合、いわゆる「誤認識率」は、わずか3.5%だった。人間の誤認識率は5%弱とされていることから、画像の内容を正しく認識する確率で、コンピュータシステムが人間を上回ったわけだ。

大きな動きがあったのは2012年。それまで優勝したシステムによる画像の誤認識率は25%程度だったが、2012年のコンテストで誤認識率が大幅に改善。トロント大学のジェフリー・ヒントン教授が率いるチームが、2位以下のチームを10%以上引き離し、16.4%の誤認識率で優勝したのである(図2)。このときヒントン教授らのチームが用いた技術が、人間の脳のしくみを模倣した「ニューラルネットワーク」と呼ぶものだった。

ご存知のかたもいるだろうが、ニューラルネットワークそのものは新しいテクノロジーではない。基本的な発想自体は60年ほど前に生まれている。では、ヒントン教授らはこのとき、どんな“手品”を使って他のチームを圧倒したのか。詳しくは次回以降に説明するが、より深く思考しながら学ぶ力をコンピュータシステムに授ける「ディープラーニング(深層学習)」と呼ぶ学習方法を取り入れて、ニューラルネットワークの能力を飛躍的に高めた。

それ以来、ニューラルネットワークを採用する動きは他のチームにも広がり、画像の認識率が目覚ましく向上した。そして2015年、冒頭で述べた通り、人間が画像を見分ける能力をコンピュータシステムが初めて上回った。

この結果はITビジネス界に衝撃を与えた。ニューラルネットワークを自社のシステムに導入すると、画像の認識能力が飛躍的に進歩する――。そのことを裏付けるのに、トロント大学が実現し、GoogleやMicrosoftが続けて好成績を収めた事実は十分な出来事だった。

■ 囲碁でコンピュータが名人を打ち破る

画像認識でコンピュータシステムが人間の能力を上回ったのとほとんど同じころ、AIを巡り、もうひとつ重大な“事件”が起きた。「囲碁でコンピュータが名人を打ち破る」という偉業だ。Googleグループのディープマインド社が開発したAIシステム「アルファ碁」が達成した。

「日本企業のWindows 10への移行は世界よりも遅い。少し急いだ方がいい」ーーガートナー ジャパンの主席アナリスト、針生絵里氏は4月25日、都内で開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント&データセンター サミット 2018」でこのようにアドバイスした。その理由は単に、「Windows 7」のサポート期限が迫っているだけではない。サービス型というWindows 10の特徴にある。

2015年に登場したWindows 10、Microsoftの最新、かつ”最後のWindows”とも言われるものだ。針生氏によると日本企業で移行を進めている企業は3割、これは世界の平均である7割に比べると低い比率となる。

Windows 7のサポート終了が2020年ということもあり、2017年後半からWindows 10への移行が加速しており、「2018年は一気に進むだろう」とみるが、もしこれから検討するという企業があるなら「ちょっと急いだ方がいい」と針生氏はいう。

背景にあるのは、2年後に迫るWindows 7のサポート終了だけではない。WIndows 10はこれまでのOSとは全く異なる”サービス型”という特徴を持つからだ。

サービス型OSを説明するにあたって、針生氏はMicrosoftの戦略変換を次のように説明した。「これまでは主力のWindowsを中心に戦略を立て、Windowsがどこでも動くことを目指してきた。数年前から、あらゆるデバイスでMicrosoftのサービスを動かすということを重視する戦略になった」(針生氏)。

このようなMicrosoftの新しい戦略は、「製品をオンプレミスではなくサービスで提供する」(Microsoftのソフトウェアが動く)、「デバイスの幅が広がる」の2つの意味があると針生氏は説明する。

MicrosoftがWindows 10で導入したSAC(Semi-Annual Channel:半期チャネル)は、この戦略変換を具体的に示すものとなる。

SACは年に2回、機能アップデートが繰り返されるものだ。Microsoftはより固定的な環境を求める顧客に対して、LTSC(Long-Term Serving Channel)を提供するが、LTSCへの制限が増えつつある。「Surface Pro」ではLTSCをサポートしない、「Office 365」でのサポートがないなどの制限が増えたことで、SACを選ばざるを得ない状況だと針生氏は説明する。

SACのアップデートはリリース後18カ月のサポート期間があり、その間にテスト、パイロット、導入を済ませなければならない。それぞれに4カ月かけている場合、すぐに1年が経過してしまう。針生氏は”個々のアップデートをスキップ(飛ばす)できるのか”という質問をよく受けるというが、これについても、「スキップしたいなら現在のアップデートのプロセスを短期化しないと難しい」と述べる。

なお、2018年2月にエンタープライズ版ではサポートを延長できることが発表されたが、「サポート方針はよく変わるので、常に最新情報を確認する必要がある」と付け加えた。

「限られた期間内にいかにアップデートのためのテストを効率化させるか、配信方法をどうするか。SACを選択した企業の課題となっている」と針生氏。そして「Windows 10への移行は、一度やれば終わりの”プロジェクト”ではなく、アップデートを繰り返す”プロセス”になった」と考え方を変える必要があることを強調した。これはIT担当だけではなく、アプリや予算の担当者も関係してくるという。

針生氏は講演中、テスト効率化のヒントも紹介した。キーワードは「絞り込み」と「リスク緩和」で、ビジネスへの影響どとユーザーの数の2つの指標でシステムをマッピングし、最も重要なシステムからテストを行っていくというものだ。これにより、最も重要なシステムの検証はできた形で移行を進めることができる。

だが全てのシステムの検証作業が終わらない可能性もある。そこで、リスク緩和となる。例として、一斉に配布するのではなく段階的に配布する、途中でエラーが起きたらいかに修正するか、再配布するかなどの体制を作っておくのも手だと助言した。

このような絞り込みとリスク緩和の両輪を進めながら、仮想環境の利用、テスト自動化、互換性検証の最適化などの次の手を考えると良い、と針生氏は続ける。中でも自動化では、RPA(Robotic Process Automation)ブームも後押しして、テストをパターン化させてそれを記録して自動化することを試す企業が出てきているとのことだ。

まずはWindows 10への移行に着手していない企業は始めるべき、これが針生氏の最大のメッセージだ。

富士通と日本出版販売(日販)は5月14日、人工知能(AI)を活用した選書サービス「SeleBoo」を共同開発したと発表した。2018年夏から日販が全国の取引書店向けにサービス提供を開始する。

同サービスは、書店売場のコンセプトや客層などの特徴に合わせてAIが自動で選書を行う業界初のサービス。国内で流通する約60万点の書籍から、売り場のテーマや書店の客層に合わせた書籍リストを、富士通のAI技術を活用したビッグデータ分析により導き出す。選書結果に対する評価を書店員がフィードバックすることで、AIが書店員の知識や感性を機械学習し、選書能力を高めていく。

日販が持つ約350万点の書誌情報や全国約3000書店の販売実績情報などに加え、「DBpedia」や「Lod4all」などのオープンデータを、富士通のAIを活用したビッグデータ分析サービスであるマーケティングAIコンテナで分析しリスト化する。

今後、テーマで選ぶ「キーワード選書」、指定した本と似た本を選ぶ「キーブック選書」、その地域に関する本を選ぶ「地名選書」の機能を提供する。その後、書店の特徴に合った本を選ぶ「書店カラー選書」、画像イメージから選ぶ「表紙選書」などを開発し、サービス強化を図っていく。

米Microsoftは、Windows 10向けの新しい“WebView”コントロールをプレビュー公開した。UWPではない、WinForms/WPFといった古いプラットフォームでも、「Microsoft Edge」ベースのWebブラウザーコントロールを利用できるようになる。9日(現地時間)付けで掲載された公式ブログ“Microsoft Edge Dev Blog”の記事で詳細が明らかにされている。

それによると、新しいWinForms/WPF向けの“WebViewControl”は「Windows Community Toolkit 3.0」プレビュー版には含まれており、「Windows 10 April 2018 Update(バージョン 1803)」以降で利用可能。「NuGet」から「Microsoft.Toolkit.Win32.UI.Controls」パッケージを追加すると利用できるようになる。

“WebViewControl”は、従来からある「Internet Explorer」(Trident)エンジンの“WebBrowser”コントロールと同じように扱えるように設計されている。そのため、「Visual Studio」や「Blend」のツールボックスからウィンドウに貼り付けるだけで簡単に置き換えられるという。

なお、「Windows Community Toolkit」はこれまで「UWP Community Toolkit」と呼ばれていたライブラリで先日、改称が発表された。コミュニティベースで開発が進められているオープンソースライブラリで、カスタムコントロールやヘルパー関数、オンラインサービス連携、アニメーション、開発支援機能など、Windowsアプリケーションを開発する上で有用なコンポーネントが数多く含まれている。

“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

先月30日から一般提供が開始された「Windows 10 April 2018 Update」では、多くの新機能が追加されました(参考記事1、参考記事2)。その一方で、ひっそりと役目を終えた機能もいくつかあります。今回はその中で主なものを紹介したいと思います。

・Windows 10, version 1803 - Features that have been removed 
■Groove Music Pass

音楽ストリーミングサービス“Groove Music Pass”の終了に伴い、OS標準の音楽プレイヤー「Groove ミュージック」から関連機能が削除されています。音楽ストリーミングを楽しみたい場合は、「Spotify」アプリなどを代わりに利用しましょう。

・Microsoft、“ストア”における楽曲の新規購入とダウンロードを12月31日で終了 - 窓の杜
・Windows 10向けの「Spotify」アプリが“ストア”に登場 ~Windows 10 Sでも利用可能 - 窓の杜
■「コントロール パネル」の言語設定

「Windows 10 April 2018 Update」では言語パックを“Microsoft Store”からインストールできるようになり、言語関連の設定はすべて「設定」アプリに移されました。これに伴い、「コントロール パネル」の言語設定は削除されています。

・言語パックをストアから入手可能に ~「Windows 10 Insider Preview」Build 17074 - 窓の杜
■ホームグループ

Windows 7で導入された“ホームグループ”機能は削除されました。これに伴い、「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[トラブルシューティング]セクションからも“ホームグループ”が削除されています。

ちなみに、“ホームグループ”機能で設定されたプリンターやファイル、フォルダーの共有設定は削除されず、そのまま利用することが可能です。

■推奨されるオープン ホットスポットに自動接続する機能

あまり使われていなかったようですので影響は少ないと思われますが、推奨されるオープン ホットスポットに自動接続するサービスの廃止に伴い、「設定」アプリの[ネットワークとインターネット]-[Wi-Fi]セクションにあったオプションも除去されました。

・Windows 10 でのオープン Wi-Fi スポット - マイクロソフトのプライバシー
■XPS ビューワー

OSの新規インストールで「XPS ビューワー」アプリが導入されなくなります(すでにインストール済みの環境をアップデートしても削除されることはありません)。利用したい場合は「設定」アプリの[アプリ]-[アプリと機能]セクションから[オプション機能の管理]画面へアクセスし、手動で機能を有効化します。

ちなみに、この画面からは「Internet Explorer」や「Windows Media Player」の削除も行えます。このようなレガシーアプリもいずれは「XPS ビューワー」アプリと同様、オプション扱いになっていくのかもしれません。

そのほかにも“People”機能でサジェストされるコンタクトの仕様や、「People」アプリで閲覧できる会話の仕様が変わりました。

■開発が凍結され、将来的に削除される機能

また、積極的な開発がもはや行われておらず、将来バージョンのWindowsからは削除される可能性のあるアプリや機能も案内されています。

・Software Restriction Policies in Group Policy
・Offline symbol packages (Debug symbol MSIs)
・Windows Help Viewer (WinHlp32.exe)
・Contacts feature in File Explorer
・Phone Companion
・IPv4/6 Transition Technologies (6to4, ISATAP, and Direct Tunnels)
・Layered Service Providers
・Business Scanning, also called Distributed Scan Management (DSM)

このうち「Phone Companion(Microsoft モバイル コンパニオン)」の終了は以前にお伝えしました。今後は「設定」アプリの[電話]セクションにモバイル連携機能が追加されていく予定です。

・モバイル同期を支援する「Microsoft モバイル コンパニオン」アプリが間もなく削除へ - 窓の杜

一方、「Windows Help Viewer(WinHlp32.exe)」などは“まだあったのか!”といった感じですね。そろそろ穏やかに眠らせてあげたいです。

・Microsoft、「Windows 8.1 用 Windows Help プログラム」を無償公開 - 窓の杜

Avastは5月11日、「EternalBlue」の脆弱性が存在しているPCの使用率を調査し、その結果を発表した。これは、「WannaCry騒動」からちょうど一年となる5月12日に合わせて実施したもの。同社のセキュリティソフトのホームネットワークの脆弱性を調査する機能からのデータ(2018年3月時点)を対象としている。EternalBlueは、WannaCryやNotPetyaなどのランサムウェアが悪用する脆弱性。

調査結果によると、全世界のWindowsベースのPCの約3分の1(29%)に、引き続きEternalBlueの脆弱性が存在していることがわかった。国別では、アゼルバイジャン、アルメニア、イエメンの3カ国が突出して多かったという。日本では11%のPCにEternalBlueの脆弱性が存在しており、同社では2017年5月12日から2018年4月1日までの間に、日本で155,972回の攻撃をブロックしたとしている。